チアの大会を観戦して。体操の先生が本音で伝えたい「安全」と「美しさ」の基準
2月11日の祝日、チアリーディングの大会を応援に行ってきました!
フルール体操教室に通ってくれているチームの方々と直接面識があるわけではないので、今回は一人の「一般客」として、そして2人の娘を連れた「父親」として、純粋に競技を楽しませてもらいました。
普段、私は体操競技の世界に身を置いていますが、チアの大会はいつ見ても新鮮な驚きがありますね。今回は、指導者の視点から感じた「チアと体操の違い」や、今後の課題について少し深く書いてみたいと思います。
体操競技とは違う「一点集中」の緊張感
まず会場に入って圧倒されたのが、その独特な空間の使い方です。
体操競技の場合、広いフロアの中で「ゆか」「跳馬」「鉄棒」などが同時進行し、観客の視線もあちこちに分散されるのが普通です。 でも、チアリーディングは違います。
あの大きな舞台で演技をするのは、たった1チームだけ。 会場にいる数百人、数千人の視線が、自分たちの一挙手一投足に注がれる。
あのヒリヒリするような緊張感は、もしかすると体操競技以上に過酷で、だからこそやりがいのあるステージなんだと感じました。
さらに、大音量の音楽、仲間を鼓舞するコール、他チームからの惜しみない声援。
会場全体が一体となって「熱」を作り出すあのエネルギーは、本当に素晴らしく、見ているこちらまで胸が熱くなりました。
指導者の目から見た「タンブリング」のリアル
そんな素晴らしい舞台だからこそ、アクロバットを教える専門家として、どうしても見過ごせないポイントがありました。
それは、タンブリングにおける「失敗の多さ」と「技術の未熟さ」です。
私はダンスやスタンツ(人を乗せる技術)については専門外ですが、ロンダート、バク転、宙返りといったアクロバットに関しては、長年プロとして指導を続けてきました。
今回の大会を客観的に見ていて感じたのは、およそ「2チームに1チーム」は何らかのミスが起きているという現状です。
もちろん、本番の緊張感は理解しています。 でも、気になったのはミスそのものよりも、その失敗の仕方です。
- 技が成功しているように見えても、手をつく向きが不自然。
- 「今のつき方、一歩間違えたら肘を骨折していたかも」とハラハラする場面。
- 助走の勢いだけで無理やり回っていて、空中姿勢がバラバラ。
「成功したからOK」ではなく、プロの目で見ると「いつ大怪我をしてもおかしくない状況」が多々見受けられました。
これは、技術力と挑戦している技の難易度が、まだ噛み合っていない証拠でもあります。
「とりあえずできる」と「習得」は別物
チアの世界では、自分のチーム内で練習するだけでなく、外部の体操教室へ通ってアクロバットを習得する文化が根付いています。
その文化自体、私はまったく否定しません。 むしろ、専門の設備と指導者がいる環境で学ぶことは、正しい上達のために非常に効率的だと思っています。
ただ、ここで一つ伝えたいのは「練習で1回できた=習得」ではない、ということです。
「とりあえず回れる」というレベルで本番の構成に入れてしまうのは、選手にとってあまりにリスクが高い。
私たちが目指すべきは、その先です。 「誰が見ても綺麗で、かっこよく、そして何より安全な実施」
指先、足先まで意識が通っているか? 着地した時に、次の動きへスムーズに移れる余裕があるか?
そのレベルまで技を「熟練」させて初めて、観客に感動を与える本物のパフォーマンスになると信じています。
フルール体操教室が子供たちに約束すること
フルール体操教室にも、南林間だけでなく、中央林間や相模原市などからもチアリーディングを頑張っているお友達がたくさん通ってくれています。
彼女たちがわざわざ教室の門を叩いてくれるのは、もっと上手くなりたい、もっと輝きたいという純粋な気持ちがあるからこそ。
だからこそ、私は指導者として、彼女たちに「ただ回れるだけの技術」を教えるつもりはありません。
大会の舞台で、 「フルールで練習している子は、やっぱり動きが別格だね!」 「基礎がしっかりしているから、見ていて安心できるし本当にかっこいい!」 そう周りから憧れられる存在になってもらえるよう、これからも一人ひとりと真剣に向き合っていきたいと思います。
怪我をせず、長く大好きな競技を続けてほしい。 そのために、安全で美しいタンブリングを徹底的に伝えていく。 今回の大会を見て、その決意がさらに強くなりました。
選手の皆さん、本当にお疲れ様でした! 皆さんの努力が、最高に美しい形で花開く日を楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ぜひ綺麗でかっこいいタンブリングを習得したいお友達はフルール体操教室まで☆

