日本人が魅せる芸術性と緊張感。体操競技「平行棒」の楽しみ方

今回は体操競技の中でも、日本人選手が得意としている「平行棒」についてご紹介します。

美しさと力強さ、そして繊細な技術が求められるこの種目は、体操の中でも特に見応えがあります。

平行棒とは?

平行棒は、地面から200cmの高さに平行に設置された2本の棒の上で演技を行う種目です(マットからの高さは約180cm)。演技中は常にこの棒の上で手や腕で体を支えながら、様々な技をつなげていきます。バーの上で技を出す「支持技」や、バーの下を通る「懸垂系の技」、振動技など、技のバリエーションがとても豊富です。

演技中は一瞬たりとも足が床につくことはなく、回転などのダイナミックな動きと、ピタリと止まる倒立の両方を高い次元でこなすことが求められます。演技全体に流れる「美しさ」と「緊張感」が、平行棒ならではの魅力です。

平行棒の技は4つのグループに分類される

演技構成において、平行棒の技は次の4つのグループに分けられます:

  1. 腕支持振動技:バーの上で腕で体を支えながら行う技。
  2. 両棒での支持技:両棒で支持をしながらひねったり回転したり、移動したりする技。
  3. 長懸垂・逆懸垂振動技:バーの下で懸垂しながら行う技。車輪や棒下車輪などが該当。
  4. 終末技:演技の最後に行う着地の技。宙返りなどで床に着地します。

この4つのグループをバランスよく構成しつつ、いかにスムーズに、かつ美しくつなげていけるかが高得点につながります。

一般の方にも伝えたい!平行棒の3つの見どころ

① 倒立の静止に注目!

平行棒では「倒立」が技と技のつなぎ、そして演技中の“休憩”の役割を果たします。足で立つ場面がない競技だからこそ、腕で支えたまま静止する倒立の美しさは評価のポイントでもあります。

選手ごとに倒立の形や姿勢が異なり、「この選手の倒立はまっすぐで美しいな」といった視点で見ると、観戦がより面白くなります。

② 技の大きさ・雄大さ・かっこよさ

同じ技でも、実施の大きさや演技の見せ方には個性が出ます。体操は「審判にいかに印象よく見せるか」が重要な競技でもあるため、大きくしなやかに、そしてかっこよく演技することが求められます。

技が連続していく流れの中で「おおっ」と声が出るような大技や、美しく弧を描く回転など、見ていて心が動く瞬間がたくさんあります。

③ 手の握り直し=減点対象!

平行棒の1番多い減点として、「倒立中の手の握り直し(手ずらし)」が減点対象となります。演技の途中で少しでも手をずらしたり握り直すと、そのたびに0.1点の減点となるため、選手たちはミリ単位のバランスを保ちながら演技を続けています。

さらに近年のルール改定で、演技中に「移行(体の向きを変える動作)」を複数行うことになり、手をずらす場面が増えました。だからこそ「この選手はほとんど手を動かさないな」と気づけると、その選手の技術の高さがわかるようになります。

身長によって構成が変わる!?

余談ですが、身長の高い選手はバーの下を通る際に足が床につきやすく、減点リスクが高くなります。そのため選手によって得意・不得意な技が異なり、演技構成にも個性が出やすい種目です。同じルールの中でも、まったく違う構成や見せ方になるのが平行棒の面白いところです。


まとめ:平行棒の魅力を3つに凝縮!

  1. 倒立の静止:選手ごとの美しいラインと静止技術
  2. 技の雄大さ・表現力:体操ならではの魅せる演技
  3. 手の握り直しに注目:緊張感あふれる細かなルールと技術力

平行棒は、動きの連続と静止の美しさ、そして減点を避けるための高い集中力が試される種目です。ぜひこれらのポイントを意識しながら観戦してみてください!

次回は「鉄棒」について解説予定です。お楽しみに!